ミヤのブログ

醤油飲みません

ツイッター街の亡霊

切り裂きジルは今日も切り裂く。
切り裂く理由は何だって構わないけれど、溢れ出る赤に生を感じざるを得ないのだ。
誰も私をわかってくれない、そう思いながら刃物を濡らす。

切り裂きジルは今日も切り裂く。
切り裂いたそれの写真をSNSにアップする。刃物からは血が滴り落ち、血にまみれた手でこう書き込む。「もぅマヂむり…」

そうして探偵がついに動き出した。持ち前の推理力と洞察力と、そして何より探偵の勘が働いたのだ。
「こいつは上玉だ」
すぐさま彼女の過去を洗いあげるが、けして素顔は出てこない。そうこうしているうちに、切り裂きジルからの犯行予告が届く。
「もう死にたい……薬めっちゃ飲んだ……これから腕切ります…」
探偵は意を決して直接交渉に望んだ。
「大丈夫?つらいなら話聞くよ?」
しかし彼女は聞く耳を持たない。探偵をあざ笑うかのようにそれは実行された。

探偵は頭を抱えた。
「どうすれば彼女を捕まえることができるのだろう」
考えうる限りの手は尽くした。周辺への聞き込み調査、他のSNSはやっているのか、交友関係等全てを調べたが、未だ素顔は明かされぬままだ。SNSに現れるたびに直接交渉も続けている。

切り裂きジルは依然として切り裂くのを辞めない。しかし事件は突然動き出す。
「さみしい…誰かかまってくれないかな…」
探偵はここぞとばかりに飛び込んだ。
「DMした!」

その日を境に、切り裂きジルはSNSから姿を消した─────。


探偵はやり取りを続けていた。持ち前の推理力で言葉巧みに情報を聞き出していく。そしてその日は訪れた。
「てか会える?ご飯でも行かない?」
「え…どうしようかな……探偵さんならいいかな…」
「写メ送って」

探偵はついに切り裂きジルの素顔を暴き出す事に成功したのだ。
「勝負あった…」
童貞は思わず口元がゆるんだ。

そうして送られてきた素顔を見た探偵はこう呟いた。
「it'a true world.」
狂ってる?それ、褒め言葉ね。

恋はスリル、ショック、サスペンス。探偵は迷宮入りと言う名のブロックボタンを押し、次の獲物を探しにSNSの闇へと消えて行った。


って夢を見た。